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「……確かに妖刀の力は感じられない」
自分から誘っといて逃げるなんてぇ~~
「う……ん」
そんな会話をしていると、少女の事を忘れていて駆け寄った。
「大丈夫!?怪我はない?」
「っ!?……私を殺すの?」
怯えた風で尋ねるから俺は首を思いっきり横に振った。
「そんなワケねーじゃん!!俺、女の子には優しいから!」
「………」
手を差し伸ばしたが、少女は握ろうとしない。
何だか知らないが敗北感を感じながら祐の方へススス…と向かった。
「…ほら祐、お前じゃないと起き上がらないみたいだぞ」
「……はぁ?」
しぶしぶ祐は手を差し伸ばした。
しかし少女はなにか戸惑っていた。
だから祐は一言言った。
「………帰るぞ」
それに少女はニコッと笑い手をしっかりと握った。
こうして俺達はロストキングダムを後にした。
―☆―
「……白土(シラト)、万里(バンリ)ちゃん?」
「…………なにか?」
「(なんかきっついな~)名前知らなかったからさ、よろしくね」
万里ちゃんはフイとそっぽを向いた。
帰り道、俺は新たに仲間になった(と勝手に思い込む)万里ちゃんに話しかけるが全ての回答に素っ気ない。
「……もう諦めろよ、無理だ」
「祐は良いよな~女の子には好かれてるからさ~」
「……あの」
万里ちゃんがやっと話しかけたと思ったら祐にだった(チェッ)
「私がした事…怒ってますよね」
「……そうだな、湊を傷付けた事は怒ってる」
万里ちゃんがシュンと下を向いた。
それを見て祐は続けて言った。
「…まぁ、今更んな事あーだこーだ言うつもりもねーよ」
その言葉に万里ちゃんはホッとしたらしい。
森近くまで行くと、何やらいっぱい人が居た。
「あっ、湊様ぁー!!」
「遅いじゃないのバカ湊!!」
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