最終幕:王子様はお姫様ですよ?

15/24
前へ
/405ページ
次へ
「……確かに妖刀の力は感じられない」 自分から誘っといて逃げるなんてぇ~~ 「う……ん」 そんな会話をしていると、少女の事を忘れていて駆け寄った。 「大丈夫!?怪我はない?」 「っ!?……私を殺すの?」 怯えた風で尋ねるから俺は首を思いっきり横に振った。 「そんなワケねーじゃん!!俺、女の子には優しいから!」 「………」 手を差し伸ばしたが、少女は握ろうとしない。 何だか知らないが敗北感を感じながら祐の方へススス…と向かった。 「…ほら祐、お前じゃないと起き上がらないみたいだぞ」 「……はぁ?」 しぶしぶ祐は手を差し伸ばした。 しかし少女はなにか戸惑っていた。 だから祐は一言言った。 「………帰るぞ」 それに少女はニコッと笑い手をしっかりと握った。 こうして俺達はロストキングダムを後にした。 ―☆― 「……白土(シラト)、万里(バンリ)ちゃん?」 「…………なにか?」 「(なんかきっついな~)名前知らなかったからさ、よろしくね」 万里ちゃんはフイとそっぽを向いた。 帰り道、俺は新たに仲間になった(と勝手に思い込む)万里ちゃんに話しかけるが全ての回答に素っ気ない。 「……もう諦めろよ、無理だ」 「祐は良いよな~女の子には好かれてるからさ~」 「……あの」 万里ちゃんがやっと話しかけたと思ったら祐にだった(チェッ) 「私がした事…怒ってますよね」 「……そうだな、湊を傷付けた事は怒ってる」 万里ちゃんがシュンと下を向いた。 それを見て祐は続けて言った。 「…まぁ、今更んな事あーだこーだ言うつもりもねーよ」 その言葉に万里ちゃんはホッとしたらしい。 森近くまで行くと、何やらいっぱい人が居た。 「あっ、湊様ぁー!!」 「遅いじゃないのバカ湊!!」
/405ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2445人が本棚に入れています
本棚に追加