第一幕:王子様はツンデレですか?

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「平気よ、あの子は顔こそ平凡だけど心が強いのよ……アナタに似て、ね」 蒼は私に寄り添い、安心させる言葉を言った。 私も湊は強い子だと思うから蒼に頷いた。 「ああ……なら、彼らとも上手くやってけたら良いな」 「湊はやり遂げるわ、雪村家の使命を…必ず」 私と蒼は見守る事しか出来ないが、大丈夫……なんせ私と蒼の子供なのだから…。 「……ところで蒼、何を見てるんだ?」 「ん~、いざ日本に帰ってきた時の為に、お土産をね!」 「今度日本に帰る日は分からないんだから、今選ばなくても……しかもそれは、生物じゃないか?」 「大丈夫よ、湊は賞味期限一年切れたお菓子だって食べてたんだから♪」 「………え」 私は一気に湊が心配になってきた。 そして心配の中、私と蒼は日本を旅立った。 ―湊side― 俺は鞄の前で荷物と格闘していた。 鞄に入るぐらいしか持っていけないから必需品のみ。 まずは服に歯ブラシに……バナナも持ってくか(遠足気分) 母さんに渡された(ってかリビングのテーブルの上にあった)地図をマジマジ見た。 これは何語だろうか。 「えーっと、まず右行って真っ直ぐ行って、左に曲がって………」 分かるかーーーー!!!!! 何だよこの暗号みたいな字は~。 下に(楽しく解いてね☆)なんて書いてある。 楽しくねぇ~。 しかも何だよこの蛇みたいなグニャグニャの道は… 道の最後にでかでかと"森"と掛かれていた。 森なのは分かってんだよー!!! 俺が知りたいのは森の中だしよぅーーー!!! 叫んでも仕方ないから森に向かう事にした。 ―☆― 俺は、地図を持ち…本日何度目かのため息をした。 何度かグニャグニャの道で足止めされたが(ちゃんと書かないからこうなるんだ!)何とか森の中に入ったが……。 予期せぬ事態が訪れた(まぁ、家を出る時にある程度予想してたけどさぁ~) 森の字の横には母さんの知り合いと思われる山奥に住む栗林雅也(クリバヤシ マサヤ)さんと言うお爺さんが居る家の場所が書かれていた。 書かれてるって言ったって、森って字の横にあって矢印が森を差してるから実際は意味がない。 俺は、私物が入ってるデカいバックを背負いながら森の真ん中(らへん)で迷子になっていた。 あまりのベタベタさに嫌になる。 そろそろ歩き疲れて肩が折れそうだ。
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