2445人が本棚に入れています
本棚に追加
―☆―
「………えーっと」
「ようこそ、雪村湊くん…我が家へ」
山奥にある民家に来たのは良いんだけど……。
ちゃぶ台を挟んで、目の前にはお茶を飲んでる雅也さんと、横には……。
「なんでアナタがいらっしゃるんですか?」
「……」
片言で棒読みで言うと、明らかに不機嫌な顔になった。
俺も不機嫌なんだけど………。
何故か俺の横には、あの銃を振り回す危険人物が居た。
「湊くん、彼はワシの親戚の家の息子でね預かってるんだ」
俺が疑問の顔をしていると、雅也さんが答えてくれた。
預かってる?俺と同じ?う~ん。
同じにされたくな~い(めっちゃ嫌な顔)
それを見た少年は、ずっと無言だったが口を開いた。
「俺は、こんな弱っちい奴を守護する気はない……詐欺だろコレ」
弱いだのバカだの言われたくない。
確かに、コイツよりは弱いかもしれないけど……俺は平均だっての!
何やらまた火花が散る二人に、雅也さんが仲介に入る。
「まぁまぁ、湊くんは何も知らないんだ……説明しなければならない」
「………めんどくせー」
少年は、俺から目を逸らし居間から出てった。
そして俺はと言うと、少年が出てった事は大して気にせず、ちゃぶ台に置いてある煎餅を食べていた。
それに苦笑いをする雅也さん。
「湊くん、そろそろ話しても大丈夫かい?」
「ひょうぞ(どうぞ)」
煎餅を口に入れたまま返事をすると、多少雅也さんが呆れていたが、あっという間に真剣な眼差しになり俺を見ていた。
「湊くんは、ファンタジーとかは好きかな?」
「ふぅひぃれぇす(好きです)」
聞き取りにくい返事に雅也さんは、ワザと咳払いをした。
「…………コホン、ワシが今から話す事は全て現実で起こる事だ」
咳払いはバカな俺には効かなかったのだとさ。
そして雅也さんが語り出した。
「この世界には、妖刀と呼ばれる力が存在していた」
「ふぉうちょう?(妖刀?)」
「妖刀は人々に災いをもたらす存在、人の身体を乗っ取り生き血を啜る悪魔とも言われている」
「……(モグモグ)」
最初のコメントを投稿しよう!