第三幕:王子様は小さいですか?

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―湊side― 此処は栗林家。 そして、現在家には雅也さんと俺が居た。 買い出しは、祐に任せて居間でのんびりお茶を飲み…煎餅を食べ散らかしていた。 そんな平和全開の栗林家のチャイムは鳴らされた。 ピンポーン 「誰かな?」 「モグモグ」 雅也さんは玄関に向かった。 しばらく居間に居たが、訪問者が気になり俺も向かった。 玄関が近付くにつれ会話が聞こえてきた。 随分親しそうだな。 「久しぶりですな、葵殿」 「お久しぶりです雅也さん」 どうやら訪問者は女性のようだ。 玄関に入ると、他校の有名な女子校の制服を着た女子生徒が居た。 その女子生徒は、俺を見るなりビックリしていた。 「貴方が、雪村家姫君の雪村湊様ですか?」 「えっ!?そうだけど、様って……」 何やら感動の眼差し。 この人が雅也さんの知り合いなら、守護者かな? あ、いや……守護者に女性は居ないんだっけ…。 じゃあ………誰? 「湊様ぁ----!!?お会いしたかったのぅ-----!!!?私、貴方の婚約者なんですのよ?」 いきなり飛びかかってきたら、突然婚約者と言われた。 それらしき話を俺は一切聞いた事がない。 こんな可愛い美少女が婚約者!?「おい、ジジイ…誰だよソイツ」 買い物から帰ってきた祐は、玄関で俺を押し倒してる美少女を見て、何やら怒ってるみたいだ。 俺が襲った訳じゃないからな!! 「まぁまぁ葵殿、自己紹介なしで進めると湊くんが困惑する」 「あ、はい…そうですね」 渋々俺から美少女は退きスカートを叩いた。 何だろう、空気が重い(特に祐と美少女の間からかな?) ―☆― 場所が変わって居間(祐は自室) 皆煎餅をボリボリ食べていた。 「自己紹介が遅れました、私は松尾家姫君の松尾葵(マツオ アオイ)と申します…雪村家とは長い付き合いなんですよ」 「……ふーん、で……さっきの婚約者って……」 「昔、私の両親と湊様のご両親と婚約の話があったみたいで…」
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