2434人が本棚に入れています
本棚に追加
/405ページ
―湊side―
此処は栗林家。
そして、現在家には雅也さんと俺が居た。
買い出しは、祐に任せて居間でのんびりお茶を飲み…煎餅を食べ散らかしていた。
そんな平和全開の栗林家のチャイムは鳴らされた。
ピンポーン
「誰かな?」
「モグモグ」
雅也さんは玄関に向かった。
しばらく居間に居たが、訪問者が気になり俺も向かった。
玄関が近付くにつれ会話が聞こえてきた。
随分親しそうだな。
「久しぶりですな、葵殿」
「お久しぶりです雅也さん」
どうやら訪問者は女性のようだ。
玄関に入ると、他校の有名な女子校の制服を着た女子生徒が居た。
その女子生徒は、俺を見るなりビックリしていた。
「貴方が、雪村家姫君の雪村湊様ですか?」
「えっ!?そうだけど、様って……」
何やら感動の眼差し。
この人が雅也さんの知り合いなら、守護者かな?
あ、いや……守護者に女性は居ないんだっけ…。
じゃあ………誰?
「湊様ぁ----!!?お会いしたかったのぅ-----!!!?私、貴方の婚約者なんですのよ?」
いきなり飛びかかってきたら、突然婚約者と言われた。
それらしき話を俺は一切聞いた事がない。
こんな可愛い美少女が婚約者!?「おい、ジジイ…誰だよソイツ」
買い物から帰ってきた祐は、玄関で俺を押し倒してる美少女を見て、何やら怒ってるみたいだ。
俺が襲った訳じゃないからな!!
「まぁまぁ葵殿、自己紹介なしで進めると湊くんが困惑する」
「あ、はい…そうですね」
渋々俺から美少女は退きスカートを叩いた。
何だろう、空気が重い(特に祐と美少女の間からかな?)
―☆―
場所が変わって居間(祐は自室)
皆煎餅をボリボリ食べていた。
「自己紹介が遅れました、私は松尾家姫君の松尾葵(マツオ アオイ)と申します…雪村家とは長い付き合いなんですよ」
「……ふーん、で……さっきの婚約者って……」
「昔、私の両親と湊様のご両親と婚約の話があったみたいで…」
最初のコメントを投稿しよう!