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木から下りた2人は、正幸を先頭にきつね森の奥へ進んでいった。
外から見たとき、こんなに広い所だったかな。辺りは昼間なのにかなり暗い。木が生えすぎ。弘子は不安になってきた。
「どこ行くの?」
「きつねのほこら」
「ほこら?」
「そう、お寺みたいな建物さ」
え?不気味なイメージが湧くのは私だけかしら…。
「さぁ着いたよ」
げっ、建物すっごい古いんですけど。たしかにお寺のお堂みたいだけど…。窓とか引き戸とか昭和の香りがするわ。
「ほっ他の場所にも行きたいなぁ」
っていうか、この場所から逃げたい。
「じゃあ今度は池の方に行こうか」
池?爽やかな池とは思えないんだけど。何かやだな。
「あっそこらへんに古井戸あるから気をつけて」
「うん」
うわっ井戸の石に苔生えてるし、蓋している木の板もボロボロだ。中に何かいるような気もする…。気をつけて歩かなければ落ちてたかも、おぉ怖っ。
「で、池には何かあるの?」
「そうだな…。魚はフナが住んでるよ」
えっ、フナ?コイじゃなくてフナ?
最悪。
「あっ!あと河童もいるっていう噂」
「へ~」
帰りたいっ!学校の方がマシだったかも。
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