最初の朝

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朝、無理矢理笑っている母親に弁当を渡され、8時に家を出された。 かつてあの母親という女は、学校に行きたくないという私を怒鳴りちらした。唾を飛ばし、半泣きになりながら恥ずかしい子と言った。 私が学校を抜け出したり、行くフリをしている事は先生からの連絡でバレているはずなのに。私には何も言わない。ただ送り出す。引きこもって欲しくないのかも知れない。 のんびり学校を目指している学生達の中で一人だけ林を目指す私。悪くない。 と思っていたのに、実際林についてみるとかなり薄気味悪い所だった。 まあ学校に行く気もないし、かろうじて道と呼べそうな草のない所の前で自転車を置き、柵を乗り越え中に入った。 林の真ん中辺りで登りやすそうな手頃な木をみつけた。登ってみると木漏れ日が気持ち良く、枝の角度も太さも昼寝するのに調度よかった。 早速ヘッドホンとミュージックプレイヤーを取り出し、お気に入りの洋楽を聴く。 アルバムの3曲目に入った時、私が来たほうから一人の男の子がやってきた。 ニヤニヤしながら、首を傾げたり左右に振ったりしている。気持ち悪い、でもちょっとかわいい。 彼はアルバムの12曲目になった時、再び木の下に現れた。 また首を振った。と、突然警戒するように辺りを見回し、 バッと上をみた。 彼を観察していた私と目が合った。 「何か用?」 ヤバッ。ヘッドホンの音せいで、声がかなり大きくなってしまった。
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