…時機脱線…

2/11
前へ
/22ページ
次へ
カラン カラン 「オフフフフフ オフフフ オフフフフフフ」 暗闇から異様な唄がぼんやり聞こえる すうっと人が現われた 「オフフ、私の名は河上五郎丸」 そいつは何かを言っていた 空は暗い 夜だろうか 吐き気がしていた 頭がボーっとする その女口調の男は何か言ってきた 「こんな時間に夜道をフラフラするなんて… 私に斬られて欲しいと頼んでるようなものよ」 何を言っているのか理解できなかった タイムマシンは故障してしまったのだろうか… 「ねぇ聞いてるの? まぁいいわ 調度新しい刀を手に入れたところだったのよ 試し斬りさせてもらうわ!」 聴覚も視覚もほとんど奪われていた 向こうから一つの影が見えた うっすらとだが近づいているのがわかった 細い何かが来る 雅治の中で何かが プツリ と切れた 気がつくと聴覚、視覚ははっきりとしていた 手にはぐっしょりと濡れた刀を握っていた 横には何も持たない一人の男が血だらけで倒れていた 雅治は急に恐怖が込み上げ、血で濡れた刀をしっかりと握りしめたまま走りだした
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加