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「くっそーまだ車はこねーのか!!」
強盗は焦りを隠せず今にも発狂しそうになっている
そして…
「おぉわぁ!!」
激しく割れるガラス音に驚き心臓を漠々と脈動させ、入り口に顔を向けた。
両膝を胸の位置までまげ、腕をクロスさせ、そしてその磨き抜かれた体は宙にあり、自動ドアが開くそれよりも早く飛び入ってきた
「か~さんが~よなべ~をして、てぶく~ろあんでくれた~」
見事に着地を決め立ち上がると両手を広げ囁くように強盗に歌い聞かせた。
ピエロの放つオーラに隅にいた人質たちは悲鳴をあげ、生命の終わりを確信する。
子供は泣き叫び、年寄り達は天に召されかけ、若者達はただ震え、両親への感謝の気持ちを募らせながら先立つ不幸を呪った。
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