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「「わかった…ではハッピータイムといこうか…」」 そう言うとピエロは、右手をスッと挙げる。 「ち、近づくな!近づくとおっさんの命はねぇぞ!」 兄貴は団長の首元にナイフを突きつけた。 「「誰の命がないって?」」 ピエロが兄貴に問いかける 「な…何言ってやがる!このおっさんの!こ…のお…おぉぉっっ!!?」 兄貴に抱かれていたはずの団長が、ピエロに変わっていた… 驚きのあまり、ピエロを突き放し、尻餅をつく兄貴。 完全に孤立した兄貴。涙を流し、尻餅をつきながらもナイフを振り回す。 「ぐ…ぐるなぁ…ぎ…ぎぢゃいゃあぁぁ…」 涙と鼻水で言葉にならない声を発し続く。 そして今度はコンテナからピエロが出てきた。 「「さぁ…楽しい時間の始まりだよ…」」 次は倉庫の窓から… 「「途中で帰ったら…許さないんだから…」」 次から次へと現れる無数のピエロ。 そこは最早、殺風景な倉庫ではなかった。 色彩鮮やかな衣装に身を纏ったピエロが兄貴の視界いっぱいを埋め尽くしていく。
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