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救世主
少女の背よりずっと高い天井近くにある窓は、
気休め程度の光を取り入れてくれるだけ。
冷たい床と壁に、
裸足の足。
赤くなった指先。
寒さをしのぐ事さえ出来ぬ汚れた白い服。
袖のないそれの代わりに寒さを堪える為に肩から掛けた毛布。
首の中程辺りの長さでバッサリと切られた彼女の大嫌いなホワイトゴールドの髪、
涙を零す事もしなくなった 曇空を写したような灰色の瞳。
それがこの国の新たな救世主と呼ばれる少女・ガブリエルだった。
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