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元々、この国で救世主と呼ばれていたのはガブリエルの母親だった。
飢餓による反乱で政治が傾き始めた頃、国軍内でも秀でていた彼女は反乱を起こす国民を説得して回り、
好機とばかりに侵攻してくる他国から国を守る為にと最前線で指揮をとりながら己も剣をとり、女戦士として共に戦った。
そのうち彼女の周りには彼女と志を同じくする民衆や兵士達が集まり、いつしか彼女は救世主と呼ばれるようになっていた。
国も復興し、
栄え始めた頃、彼女は結婚を申し込まれ
それを受けた。
求婚したのはこの国の王子。
彼は彼女を積極的に支援した1人で、共に国を建て直している時にどんどんと惹かれていったのだった。
王子が彼女に惹かれるように、彼女もまた王子に惹かれていた。
やがて王子は王となり、彼女は正室の王妃として迎え入れられ暮らし始め、
幸せそうな2人を民衆は祝福した。
しかし、王子には生まれながらの婚約者であった女がいて、その女が彼女を認める筈も無く、
側室となったその女は正室となった彼女に辛く当たった。
だが、戦場すら駆け巡っていた彼女はそれに耐え、
王と国を支えた。
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