救世主

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それから10年近くが経っても王の病は一向に回復せず、救世主という信仰対象を無くした国民は活気を失いつつあった。 しかも数年前から殺人鬼がうろついているという噂まで出回り、民衆の活気低下にさらに拍車をかけていた。 そんなある日。 すっかり女を支持する派閥の色に染まっていた大臣達が女にこれからどうするのかと指示を仰いだ。 すると女はニッコリと笑って大臣達にこう言った。 新たな救世主を作りましょう、と。 そして女は少ない侍女と共に離宮で暮らしていたガブリエルを王宮へと呼び戻した。
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