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王宮へと戻されたガブリエルは今まで彼女の世話をしていた全ての侍女を外され、王宮の隅にある日当たりの悪い部屋を自室としてあてがわれた。
今まで物置として使われていたそこは灯さえなく、
夜はとても冷えた。
しかし、女がガブリエルに用意したのは袖のないワンピースと毛布1枚だけだった。
食事はパンが1つと野菜のスープが日に2度与えられ、
時々部屋から出されたかと思うと、
違う服を着せられ民衆の前へと出された。
装飾品の多い服に身を包んだガブリエルの隣で女は国民達に彼女が新たな救世主だと笑う。
国民達は新たな信仰対象を見出し、少しずつ国に活気が戻っていった。
女は王にガブリエルが国民を活気づけ新たな救世主となった事だけを知らせると、
ガブリエルの暮らし振りを知らない王はとても喜んだ。
そんななかガブリエルだけは冷たく薄暗い部屋に閉じ込められ、時々見せ物のように人前に引き摺り出される日々を只淡々と過ごしていた。
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