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「なんでも出来るあなたを見ていると、わたしの不甲斐なさがよく分かるのよ。悲しくなるの!」 朝子はバンっとテーブルに手をついて立ち上がった。 「どうせわたしは、あなたと違って家事なんか何もできない。今だって、みんなあなたにやって貰っているわよ……なんで、あんたはわたしと違って、そんなに女っぽいのよ!」 朝子は一気にまくし立てた。 「出ていって。今すぐ!」 そして私の服の背中を掴んで、玄関へ連れて行こうとする。 何がなんだか、さっぱり分からなかった。 私は呆然として洗いかけの包丁を置くことも忘れて……柄をぎゅっと握りしめていた。
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