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「あの……卓也くん…いえ原田さんに聞いて来たのですけど…」
女性はサングラスを取ると、目をしばたかせながら言った。
柔らかにカールした栗色の髪が肩先に揺れて、黒目がちな眼差しと少し濃い目の濡れたルージュが女性の目鼻立ちを際立たせ、女性は美人の部類に入る容姿だった。
「あ、そうですか…。
分かりました。お座り下さい」
凛子は、女性を傍らにあるパーティションで仕切った応接室に通した。
女性は少し緊張した面持ちでソファーに座った。
「あの……秘密は守って頂けるんですよね」
女性は先ずそう切り出した。
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