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最近、この近辺で連続少女殺人事件が多発していた。手口から、精神的異常者の犯行として警察は手がかりを追っているが、未だ犯人は捕まっていない。
おそらく、あの少女も成仏できていないのだろう。
ふと机を見ると、服のボタンが置いてある。
忘れ物?
少女の姿を探そうと見上げた時、男が立っていた。
ロングコートに身を包んだ男はどことなく落ち着きがない。
何か、過去がある男だな。
長年この仕事をしていると、人並み外れた洞察力が身につくものだ。
『本当に当たるの?』
千円札を乱暴に置き、手を出すと男は言った。
じっと男を見据える。
「お客さん、この先ずっと暗闇で過ごすことになるね。」
『ハァ?』
「罪を償わなければならないってことだよ。」
『クソジジイ、何言ってんだ!?』
「このボタンは君のコートのものだね?」
男は手を振りほどこうとするが、私は離さない。
『離せコノヤロウ!』
男はもう片方の手で懐からナイフを取り出した。
乾いた血がついている!
とっさに手を離し机ごと蹴り上げると、男は倒れ込んだ。
『テメェ!ぶっ殺す!!』
声を張り上げる男に
私は拳銃を突きつけた……。
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