『心霊写真』

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アイツが憎い…。 アイツはいつも私を出し抜く。悔しいが才能もあり、世渡り上手とくる。 写真家としてデビューしてから、アイツは数々の賞を総ナメにし、先輩の私は立場がなくなっていった。 こうして霊になってからも、この恨みは消えぬ。 かといってアイツを呪うことはできなかった。 そもそも、「呪い」というものが実在するのであれば、世の中全ての凶悪犯罪者は皆、呪われて死ぬはずだ。 なんとか、復讐せねば… そうだ! アイツの写真に写ってやろう! 恐ろしい心霊写真しか撮れない写真家など、相手にされなくなるだろう。
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