第一章

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50kVの直流電源で感電したことがある。 俺の作業中、いきなり通電された。 あれじゃ、作業前の安全確認なんて意味がない。明らかに現場管理者の怠慢による人災だった。 高圧電流が右の掌から入り、右の脇腹から抜けていた。 掌の皮はベロリと剥けて、装置の接触箇所に張り付いて残っていたそうだ。 なんとか生きているが、感電の直後から暫くは物凄く気持ちが良かった。 ドーンって、爆音と同時に快感が全身に走った。 全身に走る快感を脳が処理できずに吹っ飛んだような…。苦痛なんて全く感じなかった。 むしろ、このまま消えてしまいたいと思うような恍惚感に包まれた。 救急車の中で意識が戻ったときには、トランクスを大量の精液で汚していた。 さらに、固く固く勃起状態していた。 あれから、ずうっとチンコが勃起したままだ。 退院してから二ヶ月たつが、いまでも常時七割から九割程度の勃起状態が続いている。 あのまま死んでしまいたかった。 チンコが痛い。 勃起を隠すために無理な姿勢をとりつづけているせいか、腰から背骨にかけて激痛が走る。 死にてえよ。 あの現場管理者が憎い。
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