Chapter 20

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「我を蔑むとは、なかなか度胸のある人間ではないか」 「黙ってろ!!」 憤怒の炎でオウリーを飲み込む。 が、やはり彼は障壁でそれを遮った。 (やっぱりな) 「全員これを見ろ! 風帝様の力は防ぎもしねぇのに、あの程度にどうして障壁を張る必要がある!」 その一瞬後だった。 「蒼珠氷河撃!」 オウリーの居た空間を、まるごと巨大な氷が取り囲んだ。 氷系攻撃魔法。 それをやったのは、言わずもがな。 「ようするに、使い魔関係にある風帝様の魔法は通じない。 けど、僕たちの魔法はそうでもないってことか」 「ようやく理解したか?」 氷塊の上に軽やかに着地するオウリー。 魔法が外れたことは、すでに分かっていた。 「きゃっ!」 セシリアが小さく悲鳴を上げる。 動こうとしない彼女を、グスタが担ぎ上げたのだ。 グスタはのしのしとこちらに近づいて、自分の前で下ろした。
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