Chapter 20

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「ガキは最初から大人に頼ってりゃいいんだよ! それとな……」 と、カインはセシリアの腕を掴んだ。 その手がネックレスを握っている。 「嬢ちゃんの魔法はダメかもしれねえが、こいつは話が別だ」 「……そうか」 セシリアはネックレスを剣へと変えた。 魔鉱石が材料の魔武器ならば、オウリーの支配を受けていないはず。 これならば――全てが雪のように白いこの細剣ならば、きっと魔神に通用する。 驚きとともに魔武器を見下ろすセシリアの瞳が、ようやく強い光を宿した。 「さあ。嬢ちゃんの声で命令してくれ! 俺らはなんだってやってやる!」 自分のことながら、実に現金なものだ。 風帝には恐る恐る従ってきたというのに、相手がセシリアだと分かった途端、序列など関係なくなる。 命を懸けることに、疑問さえ湧かなかった。 オウリーが両手を広げる。 まるで演じるように、声を響かせた。 「ようやく第二幕。待ちくたびれたぞ。 さあ、ここからが楽しみ時だ!」 その言葉に応えるように、再び魔法陣が現れる。 瓦礫混じりの荒野に一つ、二つ……その数は増え続けていた。
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