Chapter 20

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セシリアの声が鼓膜を揺らしたのは、そんな中だった。 「S隊員は出現した魔物の対応をお願いします。 そちらの指揮を……」 「私が引き受けましょう」 即答したのはリュシエラ。 二人は数秒視線を交わし、セシリアが頷く。 「お願いします。マスター。 SS隊員の方はS隊員のフォローと共に、魔神への中遠距離対応を。 決してあれに近づいてはいけません。 カイン様。ロイ様。グスタ様。フリード様。 わたしと共に魔神の前に立っていただけますか?」 四人の顔がほころんだ。 豪快に笑い飛ばして、グスタ。 「セシリアちゃん、遠慮せずこう言えばいい。 死ぬつもりで仕留めて来いとな」 「さて。可愛い上司からの指示も出た。 行こうかみんな」 「こんな戦いも、なかなかに面白い」 ロイとフリードが苦笑しながら歩き出す。 その一瞬後には、魔神への突進へと変わった。 先制の二人。そのすぐ後からグスタの巨体が続く。 オウリーはただ嘲笑うのみ。
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