Chapter 20

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カインはそこに飛び込んだ。 魔武器に皇炎をたぎらせ、最速の挙動で叩きつける。 オウリーはそれをまた手で受け止めようとしたが、なにを思ったか回避に転じた。 身を沈ませ、蒼炎を潜り抜ける。 「流石に驚いたぞ。人がその炎を使うとはな」 魔神の声を聴きながら、左腕を掲げた。 「降魔紅蓮斬!」 膨れ上がる巨剣。 姿勢を落としたオウリーに追撃をかける。 その炎は奴の手が受け止めた。 上級魔法とはいえ、皇炎より熱力の劣る攻撃に触れることに、躊躇いがない。 (じゃあこれでどうだ!) 魔武器から炎を消し去る。 魔法を受け止め続けるオウリーは一瞬訝しんだが、次の瞬間、大きな動揺に目を開く。 それは初めて笑みが消えた瞬間でもあった。 降魔紅蓮斬に制御と魔力をねじ込む。 炎は瞬く間に蒼く変わっていった。 それまであった放熱がピタリとやんだが、それは熱の消滅ではない。 オウリーが素早く距離を取る。 最中、その掌が焼け爛れているのが僅かに見えた。
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