Chapter 21

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蒼穹がどこまでも高く続いている。 風は心地よく髪を揺らし、どこか遠くからは小鳥の囀りが届く。 まるで全部が夢の中の出来事だった。 見たことも、聞いたことも……そして感じたことも。 ギルドの医務室で目を覚ましたとき、あれから五日が経っていた。 悪い夢を見ていたと、本気で思ったものだ。 だが身体は正直で、あの時のことを否応なしに教えてくる。 貧血と、神経伝達の鈍い下半身。 ダメージが完治するまでまだ時間はかかるというから、療養生活も当分続くだろう。 たびたび――というより、毎日来てくれるカイン、ロイ、ギルドマスター、その他大勢から話は聞いていた。 被害状況。 あの男の正体。 セシリアの過去。 あの戦いの後、どうなっているのか。 まだ戦いは終わっていない。 それは恐ろしく真剣な表情でカインが告げた言葉だ。 きっと誰もがそう思っているのだろう。 ギルド全体が殺気立ち、情報収集に奔走していたからだ。 魔神オウリーがどこに消えたのか。 そして奴に通用する武力が存在するのかどうか。 早急に掴まねばならないその二点が、全人類の存亡に直結している。 この空の下、どこかに奴はいる。
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