俺とあの子と右手の拳銃

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そこで少女は一歩踏み出す。 今は無くなった左手で、右肩の傷口を抑え、右手で左手を抑えてと変な格好している俺は少女を睨みつけた。 今度は顔が良く見えた。 腰まで伸ばした黒髪に大きい青い瞳。小さい口元はやや引き攣り、笑っていた。 電灯の光で細い首筋が照らされる。 青い目もじっとこちらを見つめていた。 「なんだよ…なんでずっと見てんだよ…!」 今にも泣き出しそうなしゃがれ声で、俺は少女に言い放った。 少女は未だにそれを俺へと向けている。 殺すなら一思いに殺してほしかった。 だが、俺の思いとは裏腹に、少女は右手に持っていたそれを、今度は自分のこめかみに向かって押さえ付けた。
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