俺とあの子と右手の拳銃

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それは、見間違いなどでは無かった。 長い髪をなびかせ、それは段々こちらに近付いて来る。 微かな光で浮かび上がるそのシルエットは華奢な身体付きで、一見女性のように見えた。 砂を踏み締める足音が徐々に近くなっている。 やがて、俺から数メートルと離れてない位置で立ち止まった。 俺はさらに凝視するが、周りが暗いためその表情は良く見えない。 外見からすると、俺とそう歳も離れていないだろう。 しばらくすると、彼女が腰から何かを右手でひき抜く動作をして、握ったままそれは俺へと向けられた。
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