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翌日の放課後。 僕はいつも通り、ひとり教室で時間が過ぎるのを待ち、すっかり暗くなった頃にやっと帰り支度を始めた。 一歩一歩ゆっくりと歩き、家に着いたのは夜の8時を回った頃だった。 家に入るやいなや、ひとつの見覚えのない男物の靴があることに気づいた。 もちろん僕のでも、父さんのでもない。 そんなことを考えているうちに、母さんがリビングから出てきた。 「おかえり、楓。」 「…ただいま。」 いつもは出迎えなんてしないのに。 なんとなく嫌な予感がした。 「あのね、楓。今日、お友達がうちに泊まるんだけど…楓、一緒で大丈夫?」 ……やっぱり。そういうことだ。 そういえば今日は父さんが朝から荷物を用意していたから、きっと出張にでも行ったんだろう。 お友達なんかじゃない。 仮にお友達だったとしても、それはきっと体の関係付きに違いない。 そして、「大丈夫?」というのは、暗に僕が家を出て行くことを望んでいるのだ。
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