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しばらく歩くと、小さな公園が見えてきた。 ひとまずその公園の入口にある花壇に腰を下ろし、なんとなく空を見上げる。 まだ夜になれば肌寒い空気に身震いした。 「毛布とか…持って来ればよかった。」 またぽつりと独り言を言って、足をブラブラと揺らす。 「……フンフンフーン…」 暇になって、さっきからずっと頭で流れていた曲を鼻歌で歌う。 ちゃんと聞いてないから歌詞もよくわからないし、メロディもサビくらいしかわからないけど。 エンドレスで同じところばかり歌っていたその時。 「………楓?」 僕の名前を呼ぶ声がした。 家族以外で、僕の名前を呼ぶ人なんてひとりしかいない。
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