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しばらくすると先輩が体をまっすぐに持ち上げ、携帯を取り出した。 「楓…見てて。」 そう言った次の瞬間、 ―――バキッ! 「…!」 なんと先輩は自分の携帯を真っ二つに折ってしまったのだ。 さすがの僕も驚いて目を丸くした。 先輩の行動の意図が全く分からない。 「先輩、何やって…」 「これでもう誰とも連絡とれない。」 そう言って先輩は二つになった携帯を床に捨てた。 「…今日、他の子とも話つけてきた。」 「…話?」 「昨日…楓が泣いてる時…俺、抱きしめて、慰めてやりたかった。」 「そんな…」 同情でそこまでしてくれなくていい。 そう言おうとしたけど、先輩の伏せられた悲しそうな目を見たら何も言えなくなってしまった。
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