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「へー、初めて間近で見た。」 「あ、噂の新入生?ほんと、お人形みたーい!」 今度は女の人も一緒に僕の顔を覗き込む。 僕をおいて次々話し始めるが、意味はよくわからない。 「おい、楓困ってるだろ。散れ散れー。」 そう言ってつばさ先輩が僕を庇うように前に立てば、周りの人がようやく散った。 「で?つばさ、今日は不思議ちゃんの日?」 「うん。今日は楓と帰る。」 ……そんなこと、聞いてないけど。 まあいいか。 黙ってつばさ先輩を見上げれば、優しい笑顔で「な?」と言うのでこくんと頷いた。 「んーじゃあ俺も高瀬んとこ行くわ。じゃなー。」 「おう。また明日ー。」 矢野先輩が去って行くと、行くか、と頭をぽんと撫でられつばさ先輩と並んで歩き出した。
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