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◇◇◇◇◇
入学したての、放課後。
僕はひとりで教室にいた。
日が暮れるまで、ずっと。
グラウンドのオレンジのライトが教室を照らし、部活を終えた生徒の声が小さく聞こえる。
そろそろライトも消される頃だろうか。
そんなことを考えていた時、
「うおっ!…びっくりしたあ」
背後から突然誰かの声がして、ゆっくり振り向いた。
「…新入生?ごめん、まさかこんな時間に人がいると思わなかったからびっくりしちゃった。」
逆光で顔はあまり見えないが、適度に制服を着崩し、無造作にセットされた髪など、シルエットだけでなんとなくかっこよさげなのはわかった。
「いや、俺前ここの教室使ってたんだけどさ。ロッカーに忘れ物したっぽくて…って、もうないよなあ。」
独り言なのか僕に話しかけているのか、ぶつぶつ喋りながらロッカーを開ける。
「あー、もう新しく誰か使ってるし。…まあ、いっか。」
諦めたようにロッカーをバタンと閉めると、くるりと僕の方に向き直った。
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