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「ようやく着いたっ!」
綺麗な青空の下、たくさんの人々が行き交う王都シャンデンの姿が、シオンの目の前に広がっていた。
馬車に揺られている間、シオンはなかなか胸の高鳴りを抑えられなかった。
もう16歳になるが、恥を捨てて道のど真ん中でぴょんぴょん飛び跳ねてしまった。
シオンは、レンガで作られた門をくぐって、商人が賑わう商店街へと入る。
その中には、いくつもの商店が一直線上に伸びていた。
ゆきすぎる人波の間から、背伸びをしてみる。
すると、目指すべき白石造りの時計台が見えた。
「あっ、あそこね。」
そして、シオンは再びレンガ造りの地面を小刻みに音をたてながら歩いていく。
心地よい風にシオンの淡い黄色の髪がなびく。
白石造りの時計台は想像以上の巨大さだった。
「わぁ~、高~~い!」
時計台は空を突き刺すかのように天に向かって聳(そび)えていた。
その圧倒的な存在感にシオンは思わず感嘆した。
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