学校へ行かないか?

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で、現在。 名前だけ有名な雷帝様は、魔物の大群を前にして失神状態。 黒いフードの中で白目をむき、完璧にいっている。 どうしてこんな事になったのか、と。思い。そして、もうどうでもいいやと人生を諦める。 そんな状態の神崎に、助けがやってきた。 「おーい、お前ら。こんな雑魚共を相手に、世界最強の魔法使いを使うたぁ、どういう了見だい?」 赤いコート、同色のツンツンヘアー。身長はそれほど高くもなく、十七、八歳くらいの少年。 「あっ、炎帝様。いや、ささっと終わらせるために仕方なく」 神崎の周りにいた一兵卒が、いきなり後方に現れた炎帝に驚くことなくそう告げる。 「うーん。ここは俺が引き受けるわ。お前らは下がってろ」 炎帝は赤いコートの懐に手を突っ込み、炎のように赤いマグナム銃を取り出す。 「いっちょ、やりますかー」 そんな緊張感の欠片もない声を出しながら、赤いコートの少年は引き金を引く。 銃口からバレーボールほどの大きさの赤い玉が射出され、坂の下からこちらに向かって走ってくる魔物の先頭に当たる。 同時に、巨大な火柱が形成され、周りのものも巻き込むようにうねる。 焼かれたものの悲鳴は聞こえなかった。 それどころか、炭一つ残らなかった。 化け物だ。 これが炎帝なのだ。 世界に五人しかいない、帝の名を継ぐもの力だ。
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