学校へ行かないか?

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炎帝が苦い苦いうるさいので、お茶が入ったコップを受け取り、代わりにココアを入れてやる。 どうやらこいつ。甘党らしい。かなり甘くしたココアなのだが、顔を綻ばせてゴクゴクと一気に飲み干した。 「やっぱり甘いものは美味いよな!」 なんか同意を求めてきたが、生憎、神崎は苦いもの派だ。甘いものなんて食べられたもんじゃない。 どう返答したらいいか迷っている雷帝に、甘党は話題を変える。 「そう言えば。ここに来た理由を忘れてたな……。よし。今から言うけど、大丈夫か?」 「ええ、大丈夫です」 神崎は渋いお茶をすすりながら、炎帝――前崎光一(マエザキコウイチ)を見る。 赤い髪、瞳をした日本人なのだが、それには訳がある。 魔法使いには、属性というものがあり、それぞれ得意なもの不得意なものが決まっているのだが。 髪の色や瞳の色は、その属性に影響されやすいのだ。 例えば、前崎光一は炎使い。 炎といえば、魔力の色が赤になる。 魔力の色で、その人の特徴が変わるのだ。全ての人物が影響されるわけではないのだが。 「だったらさっさと済ませちまおうかな。今度行く任務の場所は聞いてるよな?」 「いえ、まだですけど」 神崎が首を横に振ったのを見た炎帝は、軽く舌打ちをする。 「ったく、面倒くさいな」 「……すいません」 「ああ、いや。お前が悪いんじゃない。全てはあのコモンが悪いんだ」 コホンと。前崎は仕切りなおすように咳払いをした後。 「これから行く場所は、サンシュタイン魔術師養成学校」 「え?あの有名学校に行くんですか?」 サンシュタインとは、この学校を造った魔術師の名前だ。だから、日本なのにこんな外国みたいな感じになっている。
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