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「ああ、あのサンシュタイン学校だ。かなりの有名学校だよな。俺はまだ大丈夫として、お前は大丈夫か?」
「……大丈夫なわけないじゃないですか。僕は魔法なんてロクに使えない落ちこぼれですよ?なんでその僕があんな学校に……」
「文句は言うな。これは任務なんだからな。そして、そこでの任務内容は……俺の話を聞いてるか?」
前崎は、ボーッとしている神崎を見て、不快そうに眉をひそめる。
この男は、自分の話が真面目に聞かれていなければ、機嫌が悪くなるらしい。
などと冷静に分析していた神崎だったが、そろそろ焼き尽くされそうだと思ったので、軽く頷く。
「ええ、もちろん聞いてますよ。続けて下さい」
「そうか、ならいいけどな」
前崎はココアを再びすすりながら、
「任務の内容は、この軍に入りたいと考えている生徒の調査と、有望株を捜してくることだ」
「それだけですか?」
まさかそれだけの任務に、炎帝がついてくるとは思えない。
それだけだったら、神崎一人でも十分なのだから。
前崎は少しだけ驚いたような表情を作った。
「ほう。やっぱり分かったか。ああ、実はな、もう一つ任務があるんだ」
炎帝はそこで言葉を一回切って、間を空けてから再び喋りだす。
「もう一つは、デーモンの討伐だ」
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