学校へ行かないか?

16/58
前へ
/276ページ
次へ
炎帝が放った言葉に、神崎は言葉を詰まらせて大きく目を見開いた。 デーモン。 魔族の総大将ともいえるやつだ。 しかしあいつは神崎が殺してしまったはずだ。 なのになぜ、今そいつの名前が出てくる? 神崎は訳が分からずに黙っていると、前崎はもう一度ココアをすすってから。 「ああ、確かにあの時、デーモンは死んだ」 しかしな、と炎帝は前置きしてから。 「俺が言っているデーモンは、そいつの子供だ」 「子供?」 「ああ、そうだ。あいつだって一児の親だったんだよ。しかもタチの悪い事に、その子供は人間とのハーフなんだ」 「え?」 神崎は驚愕する。無理もない。 本来、人間と魔族との間には性行為をしたとしても、子供が産まれるという事はあり得ないとされている。 その理由としては、生殖機能の違いだ。 少し変な話をしてしまうが、デーモンの体から分泌された白濁液と、人間の女性とのそれは、絶対に相容れる事はないはずだ。 いわば、水と油。 互いが反発し合い、絶対に交わるはずがないもの。 なのに、デーモンとの間に人間とのハーフがいる。どういう事だろうか。 「まぁ、驚きだよな。人間とのハーフなんてよ。しかもなその子供は、俺達人間とまるっきりそっくりな姿形をしているらしいんだ」
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2463人が本棚に入れています
本棚に追加