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ハンググライダーに乗り、空の旅をしていた瞬だったが、ここで下を見たのが全ての始まりだった。
「うわぁ……魔物と人間の戦いだー」
魔物。動物の突然変異によって現れた、謎の生き物。
中には獣族や人間に近い獣人族という種類がある。
突然変異で魔物が生まれれば、人間には不思議な力が現れた。
魔法である。生命力を魔力と呼ばれるエネルギーに変換する事で、不思議な能力が使える。
その力を使って、人間は魔物と戦争を繰り広げていた。
しかし、戦況は人間側の圧倒的不利である。
いきなり現れてから、まだ三年も経っていない魔法は、その使い方がいまいち分からないのである。
なのに、魔物の方は均整の取れた動きで人間を翻弄し、確実に息の根を止めていった。
(どうせ、この軍隊も負けるんだろうな)
少年には関係の無いこと。魔物は領域さえ侵さねば、人間を襲ってくる事はないのだから。
そう思っていた矢先だった。
突風が吹き、ハンググライダーのバランスが一気に傾く。
バランスを保てなくなったそれは、神崎瞬を乗せたまま、地面へと落ちていってしまったのだ。
「いぃぃぃぃぃやぁぁぁあぁぁっぁぁあ!!」
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