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で、その後は一気に怒りに任せて襲い掛かってきた魔物を、駆けつけてきた炎帝に助けられたのだ。
そいつは赤いツンツンヘアーに、紅蓮のコート、手に持っている銃まで赤となにからなにまで赤一色の男だった。
顔だけ見れば、神崎と同い年くらいだろう。
炎帝は魔力を弾丸にしているマグナムを乱射し、あっという間に敵を全滅させてしまう。
弾丸を発射する時に出る、あのうるさい音さえ聞こえなかった。
「よぉ、少年。こんな場所でなにやってんだ?……あれ?その首だけの死体は、デーモンか?なんで少年が体持ってるんだ?お前が殺したのか?」
神崎は、事実を喋ろうとしたのだが、口から声が出ない。
恐怖から開放された安堵感から、一時的に麻痺しているのだろうか。
「なるほどねー。デーモンを倒した男か……ということは、君が最強になるのかな?」
声が出ない。
目の前の奴は完璧に勘違いをしていそうなのに、誤解を解くことが出来ない。
無言を肯定と受け取ったのか、炎帝は白い歯を出してニカッと笑った。
「よしよし。じゃあ、君を本部に連れて行こうかな」
「え?あ?はぁ?」
やっとこさ出た声がこれである。
そしてその後は作戦本部に連行され、知らない間に最強と噂され、それが瞬く間に全世界に広がっていき、今の状態になっているのだ。
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