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「修ちゃんこれ食べな~い?」
「しゅう、いっ…しょ」
「修、俺様の膝に来い」
「お前ら一気に話すなよ!!ちゃんと聞いてやるからさ!!」
上からチャラ男会計、寡黙書記、俺様会長とそれぞれ最近来た転入生を取り合っている中、一人だけ輪の中に入らず無表情で傍観している者がいた。
ーー生徒会副会長の真宮透〈マミヤ トオル〉である。
「てめっ、修にベタベタ触るんじゃねぇ!!」
「え~別にいいじゃん。修ちゃんは嫌がってないし」
「かいけ、めっ」
「だぁ~!!お前ら離れろよ!!あ、透!!何処行くんだよ!!」
急に立ち上がりスタスタと出口へと向かう透を修が呼び止めるがまるで聞こえてないかのようにそのまま進んで扉を開けようとする。
「待てよ、透!!友達は無視しちゃいけないんだぞ!!」
が、三人の輪から抜けてきた修が透の手を掴み無理やりまた座らそうとした。
パシっ
「触らないで下さい」
しかし透は修の手を拒絶の言葉とともにはじいた。
「なにするんだよ!?友達の手をはじくなんて最低だ!!謝れよ!!」
「ちょと、副会長~。修ちゃんの手を払うなんて何考えてんの~?」
「ふく、めっ」
「透てめぇ……」
皆からの非難をものともせず仕方なく振り向いた透は一言ポツリと呟いた。
「飽きました」
「は?何言ってんの副会長~?」
「いみ、ふ」
「………」
透の言葉に困惑の面持ちの他三人と違い会長の燐堂勝〈リンドウ マサル〉は無言になりじっと透の顔を見つめる。
「だから、飽きたんですもう。王道は嫌いではないですがこうも恋愛が平行線だと飽きるんです。いい加減誰かとくっついて下さい。私は早く他のジャンルの受けが見たいんです。平凡受けとか不良受けとか」
それだけ言うと満足したのか一人を除き唖然として動かない者達を置いて生徒会室から出て行った。
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