343人が本棚に入れています
本棚に追加
『幼なじみ』って、
得だと思った。
当たり前のようにそばにいられて、当たり前のように話せて。
だけどそれは、友達のような
関係でもあって。
でも恋にならない訳じゃない。
――そう、信じてた。
さっきまでは。
「そういえば沙菜(さな)、
好きな人がいるんだって?」
――それはいつも通りの
登校中での会話。
私と月也(つきや)は家が近くて一緒に登校をしていた。
そんな時間さえも、
私にとっては幸せで。
いつまでも続いて欲しいって
願っていた。
――いや、今はそれは
どうでもよくて!
「―な、何で知ってるの!?」
私は足を止め、目を丸くしたまま月也を見た。
最初のコメントを投稿しよう!