Bitter Story

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『幼なじみ』って、 得だと思った。 当たり前のようにそばにいられて、当たり前のように話せて。 だけどそれは、友達のような 関係でもあって。 でも恋にならない訳じゃない。 ――そう、信じてた。 さっきまでは。 「そういえば沙菜(さな)、 好きな人がいるんだって?」 ――それはいつも通りの 登校中での会話。 私と月也(つきや)は家が近くて一緒に登校をしていた。 そんな時間さえも、 私にとっては幸せで。 いつまでも続いて欲しいって 願っていた。 ――いや、今はそれは どうでもよくて! 「―な、何で知ってるの!?」 私は足を止め、目を丸くしたまま月也を見た。  
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