Bitter Story

4/24
前へ
/122ページ
次へ
「・・・やだ、絶対教えない。」 「教えろよ、 幼なじみなんだし!」 「幼なじみだからって、 何で教えないといけないの?」 「何でって… だって、 一生の友達だろ?」 月也はキョトンとした表情を 変えないまま、私を見る。 彼の目に写ってるのはきっと、 傷ついた表情の私。 「…あっそ」 これ以上 写りたくないから 目をそらして、歩き始めた。 「おい、沙菜!」 月也は再び私の隣にくると、 諦めたのか、それ以上 聞いてこなかった。 …一生の友達かぁ。 一生、恋人にはなれない。 何で幼なじみじゃ 駄目なんだろう? 普通のクラスメートとして 出会っていたなら… 私も少しは、彼に見て もらえたかもしれない。  
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

343人が本棚に入れています
本棚に追加