日常

5/12
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
「あ、阿部おばさん。おはようございます」 祐斗はニコニコと微笑んでいる女性に挨拶をする。 「おはよう。潤くんも、おはよう」 「あ、はい。おはようございますっ」 潤も慌てながらも挨拶を返す。 「君たちももうすぐ卒業なのねぇ…」 阿部おばさんと呼ばれる女性は少し寂しそうに呟いた。 「君たちは大学に行くんだよね?」 「はい。そうです」 「向こうに行っても頑張ってね!」 「ありがとうございます」 二人は女性と別れ、学校に向かい、歩きだした。 「卒業式まであと三日かぁ…」 「別に思い出も何もないだろ…」 「いや!あるよ!祐斗と釣り行ったことだろ?祐斗とガラス割っちゃったこととか…」 「あ~ぁ…わかったわかった…」 潤の言葉を無理矢理遮る。 「う~…なんだよ…」 潤は軽く拗ねてしまった。 二人はそれから10分くらい無言で学校に到着した。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!