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「あ、阿部おばさん。おはようございます」
祐斗はニコニコと微笑んでいる女性に挨拶をする。
「おはよう。潤くんも、おはよう」
「あ、はい。おはようございますっ」
潤も慌てながらも挨拶を返す。
「君たちももうすぐ卒業なのねぇ…」
阿部おばさんと呼ばれる女性は少し寂しそうに呟いた。
「君たちは大学に行くんだよね?」
「はい。そうです」
「向こうに行っても頑張ってね!」
「ありがとうございます」
二人は女性と別れ、学校に向かい、歩きだした。
「卒業式まであと三日かぁ…」
「別に思い出も何もないだろ…」
「いや!あるよ!祐斗と釣り行ったことだろ?祐斗とガラス割っちゃったこととか…」
「あ~ぁ…わかったわかった…」
潤の言葉を無理矢理遮る。
「う~…なんだよ…」
潤は軽く拗ねてしまった。
二人はそれから10分くらい無言で学校に到着した。
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