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二人は下駄箱に向かう。
そして靴を取り出す。
生徒が少ない為、靴は特に指定の物でもない。
祐斗は意味なくフットサルシューズを履いている。
二人は特に会話もなく階段を上がり、『3ーA』と書かれた教室に入る。
入ると、女の子が一人、座っていた。
「あ…祐斗、潤、おはよー」
姿を確認し、二人に挨拶する。
「よ、唯…」
「唯、おはよーさん♪」
二人もそんな女の子に挨拶を返す。
彼女の名前は
『荒木 唯』
祐斗たちと同じくこれから本土の大学に通う事になっている。
三人しかいない現三年生の紅一点だ。
同い年の三人は昔からずっと一緒だった。
でも次からはみんな違う道を歩み始める。
だから今日をもって、三人で同じ授業を受けるのは最後。
祐斗はその事を初めて自覚した。
この仲間たちと一緒にいるのもあとわずか。
適当な思い出の一つでも作ろうか。
なんて祐斗は思ったりもした。
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