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いつの間にか祐斗は元気になっていた。
朝の憂鬱さは微塵も感じない程に笑顔だった。
三人+先生で撮った写真。
後ろの黒板には『また会おう!!』の文字。
そのデジカメに映る画像を見ていると寂しさが込み上げてくる。
一限が終わって、休み時間になっても三人の笑いは途絶えなかった。
二限からは卒業式の準備の為、三年生は帰らされた。
「土日挟んで卒業式か~…」
唯がまだ昼間の空を見上げながら言う。
「そうだな…」
「なぁ!三人で駄菓子屋いかねー?」
潤が思い付いたように叫ぶ。
駄菓子屋はこの島に一つある店。
愛想のよいおばあちゃんがいつも店先にいる。
昔、三人はいつもこの駄菓子屋で遊んでいた。
「…そうだな~…」
「行ってみよっか!」
三人は学校から徒歩20分の位置にある駄菓子屋に向かった。
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