スペードのトランプ 1

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「山梨‼」 バン 「理事長…お疲れ様です…そろそろ閉めるつもりなんですが…何かありましたか?」 いない… 「鳳凰君…山梨君は?」 「1時間ほど前に帰らせました…仕事に手がつかないので…」 くっ… 「蓮榎がいなくなったのよ‼間違いないわあいつの所よ」 蓮榎が? 「理事長…蓮榎が自分で由樹の所に行ったと言うことですよね?」 「あんな子じゃなかったのに…やはりあんなチャラチャラした奴に」 許せないわ… 「完敗」 「弱過ぎだよ蓮榎」 「由樹が強いんです…素人です…もっと手加減して下さい」 ポン 「お前はスポーツ向いてないね…別のしよう…パズル」 ムッ 「いいですよ…パズルなら負けません」 「設定そのままでいいね…やろう」 次は勝ちますよ 「あれ?今玄関から音が…」 「え?聞こえませ…⁉」 うわっ…いつの間にかこんなに近いんですが… 「…」 「ゆっ由樹…」 やばい…心臓が… 「怖い?震えてる」 「そっそんな事はない…です」 「こっち見て」 スッ…ゆっくり…近づいて来る… 「ん…」 初めてのキス…本当はもっといい雰囲気の時を想像してた。でも唇から由樹の温もりが…伝わって… 「由樹‼帰ってるの?」 バッ 「やっぱり…母さん」 「うん…」 ガチャ 「あら?蓮榎君…いらっしゃい…靴一つだったから仁君かと思ったわ…SPの方はいないの?」 うっ… 「ああ…外にいるんじゃないかな?蓮榎今日泊まるって」 「そう‼久しぶりね…楽しんで行ってね」 「はい…」 優しいな…由樹のお母さん…家とは全然違いますね…
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