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6月27日、修学旅行
高速道路を走る4台の車、その2号車 3年B組の車内は異常な盛り上がりだった。
「写真とろうぜー!」 こう叫んでいるのが本編の主人公。
神岡 優也だ。
「おおー俺も入りまーす!」
と写真に割り込んできたのは、優也の親友でお調子者
村内 大樹。
「優也」「ムラ」と呼び合っている。
「おい!ムラー。途中から入るなよーー」
「いい写真が撮れただろ。優也」
バスの中は修学旅行独特の楽しい空気に包まれていた。
4台のバスはトンネルにさしかかった。 トンネルをしばらく走っていると二本の分かれ道があった。
片方の看板には
「鎌倉行き」
もう片方には何も書いていなかった。
3年A組、C組、D組は
「鎌倉」へ、B組のみはもう片方の何も書いていないほうへ向かった。
「・・・!!」
「おい!何でこっちに行くんだ」
「運転手!」
誰もがそう叫んだ。
「ちょっと、通して・・・」
先生が言う。
「なんだ。どういうことだ」
運転手とバスガイドに問う。
バスガイドが振り向く。
「・・・!!!」
ガン!という鈍い音が響く。
先生が倒れ、口から血を流して苦痛の表情を浮かべていた。
「キャーーーー」
女子の叫ぶ黄色い声がバスに響く。
そこにはガスマスクを顔につけたバスガイドと運転手がいた。
「な・・・!!!」
大樹が声を発す。
その瞬間バスの中が煙で包まれた。
「・・・うぁ! なんだ・・・」
「苦しいー」生徒たちが苦しむ。
「ムラ大丈夫か!?」 「・・・」
「ムラ!・・・」
どさどさ・・・
生徒が倒れる音がしている。
「く・・・そ・・・」 どさ!優也を含め皆が倒れる。
そしてバスは果てしない闇を進んでいた・・・。
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