序章

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男にはやらねばならない時がある。 俺は走りながらふとそんなことを考える。 いつかそんな台詞を言う時が来るかもしれないとわくわくしていた。 だけどそれは俺が大人になってから――今から数年後のことになるとずっと思っていた。 それがこんなに早く来るなんて予想外だ。 それにしても…やらねばならない時がある、ねえ…。 走ってるせいなのか今は冷静に考えられる。 そうだね。これあれだね。 中二病だね、うん。 だって無駄にカッコつけてる感が否めない。 こけはあれか? 男は大きくなっても少年の心を持ってるんだぜ! …みたいなノリだよな。 …え? 違う? 確かに…この発想はちと偏見すぎかな。 じゃあどうなんだろうか…。 いや、やっぱり。 カッコつけてる中二病かもしれない。 ただ、それでも俺はこう思う。 男にはやらねばならない時がある。
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