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「その子の名前は水越絢美って言ってな。すらっとしたスタイルにウェーブの……」
こいつはなんで毎回同じことを話すんだろうな。
お前は壊れたカセットテープか……。
とにかくこいつ、うるさいからどうにかしたいな。
すると妙案が思い浮かぶ。
くらえ、ハリネズミ!
「クロスチョップ!」
「なんで!?」
そう言い残して彼は床に倒れていく。
悪いな、憲一。お前を止めるためだったんだ。
別に面白そうだからとかそんなんじゃないからな。
そんなこんなで教室を出て隣の教室に向かう。
教室のドアの前に立って、中に戸塚がいるかどうかを確認する。
そして彼を見つけた俺は近くのやつに頼んで呼んでもらう。
「なんだ、康也?」
「ああ、戸塚。英語持ってる? あるなら貸してほしいんだけど」
「わかった。あるからちょっと待ってて」
彼は踵を返して教室内に戻っていく。
そんな彼に「悪いな」と一言。
彼を待ってる間、教室の中をぼーっと見てることにする。
その中で最初に目についたのは憲一が言っていた水越絢美(みずこし あやみ)だった。
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