出会いは王道とパンツと共に

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2時間目が終わり、問題の3時間目英語が迫ってきていた。 わかりやすく言うと休み時間ね。 俺はすることを済まして水で手を洗い、便所を出て来たところだ。 「あー…疲れた」 そんな弱音を吐きつつ、廊下を曲がった瞬間、ドンと何かにぶつかった。 その衝撃で俺は倒れる。 相手も倒れたようで、かわいらしい悲鳴を上げている。 相手は女の子みたいだ。 よくある漫画の展開みたいだ。これで倒れた相手が水越だったら本当に漫画だな。 なんてことを思いながら立ち上がり、相手の顔を見る。 「い、痛た……」 若干涙目で鼻を押さえているのは水越でした。 え……マジ……? なんか本当によくある王道パターンなんだが。 まさか、このあと水越との恋愛イベントが立つとか……!? 「あの……大丈夫ですか?」 気がつくと水越に心配されている。 ここは俺が謝るべきところなのに……。 とにかく落ち着こう。 「あ、大丈夫大丈夫。君こそ大丈夫?」 「私は大丈夫です」 よかったよかった。無事だった。 これで怪我させて水越に嫌われ、更に彼女を好きな男に敵視されるなんて真っ平だからな。
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