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3年C組。
このクラスは問題児揃いだ。
教室には常に大声で喋り声が聞こえ、静かだったことが無い。
この日の授業も大半の生徒が教室にいない。
先生が頭を抱え、悩んでいた。
そんな先生がふとドアの窓から廊下を見ると、教室にいるはずの生徒が走り去った。
先生は再び頭を抱える。そのとき一人の眼鏡の生徒が立ち上がった。
「先生、授業をしましょうよ」
彼はいわゆる「がり勉」だ。先生はその生徒を見て、説得されたように授業を始めた。
「おい、がり勉。授業をやれだ?何でだよ、めんどくせぇ」
がり勉の後ろから一人の生徒が声をかけ机を蹴った。
「何でって、勉強しなきゃ」
がり勉が眼鏡を上げて言った。
「は?」
そういうと彼はがり勉を蹴り飛ばした。
がり勉は奇声を上げて吹っ飛び、尻餅をつき倒れた。
彼はがり勉に唾を吐いて教室のドアを開けた。
「待て闇川!」
先生がチョークで彼を指した。
「んだよ?」
彼はその場に立ち止まり、先生をにらみつけた。
先生が少し怯む。
「お前、おんなじクラスの仲間になんてことをする」
先生ががり勉に近寄り、体を起こしながら言った。
「仲間だぁ?仲間ならもう見つけた」
そういうと、彼は開いたドアの向こうにいる不良生徒を指差した。
不良生徒たちが微笑んだ。彼はその仲間とともに廊下を歩き出した。
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