都立山岡第一中学校

2/3
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
3年C組。 このクラスは問題児揃いだ。 教室には常に大声で喋り声が聞こえ、静かだったことが無い。 この日の授業も大半の生徒が教室にいない。 先生が頭を抱え、悩んでいた。 そんな先生がふとドアの窓から廊下を見ると、教室にいるはずの生徒が走り去った。 先生は再び頭を抱える。そのとき一人の眼鏡の生徒が立ち上がった。 「先生、授業をしましょうよ」 彼はいわゆる「がり勉」だ。先生はその生徒を見て、説得されたように授業を始めた。 「おい、がり勉。授業をやれだ?何でだよ、めんどくせぇ」 がり勉の後ろから一人の生徒が声をかけ机を蹴った。 「何でって、勉強しなきゃ」 がり勉が眼鏡を上げて言った。 「は?」 そういうと彼はがり勉を蹴り飛ばした。 がり勉は奇声を上げて吹っ飛び、尻餅をつき倒れた。 彼はがり勉に唾を吐いて教室のドアを開けた。 「待て闇川!」 先生がチョークで彼を指した。 「んだよ?」 彼はその場に立ち止まり、先生をにらみつけた。 先生が少し怯む。 「お前、おんなじクラスの仲間になんてことをする」 先生ががり勉に近寄り、体を起こしながら言った。 「仲間だぁ?仲間ならもう見つけた」 そういうと、彼は開いたドアの向こうにいる不良生徒を指差した。 不良生徒たちが微笑んだ。彼はその仲間とともに廊下を歩き出した。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!