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果てしなく広がる海の向こう。
一つの組織がその島にいた。
「今年もゲームが行われようとしている。今年こそ、このゲームに終止符を打つ」
そう高らかに声を上げたのは、優也が探し続けている男。七原秋也。
この組織の団長であり、このゲームの被害者。
この組織はおよそ50名ほど。
このゲームの生き残り、このゲームに恨みや反対心を強く持つものが集まった。
「俺たちが受けた苦痛、このくそゲームを考えた野郎にも思い知らせてやる」
秋也の隣でそう叫んだのは青井拓馬。
彼もこのゲームの被害者の一人であり、生き残りだ。
彼のゲームでは秋也たちの協力により反乱が起き、例外である数名の生存者を残した。
その生存者たちもこの組織の者だ。
ゲームの後、皆で行動をともにして生き延びてきた彼らだが、秋也がこの組織を作ったという情報を入手後、秋也たちの組織に入り合流した。
拓馬の言葉に秋也がうなづいた。
「典子、このゲームを終わらせるときが来た」
足元にうずくまる女性に秋也が話しかけた。
彼女は中川典子。
秋也の同級生である。秋也の親友、国信慶時の片思いだった相手でもあり、秋也が守り抜くと約束した相手だ。
この組織の母のようなものでもある彼女は秋也の言葉に小さくうなづいた。
「行動開始だぜ」そう言ってパソコンを閉じたのは中津信也。この組織の中で最年長だ。
彼はこのゲームに異常な怒りをもっている。
だがその過去を知るものは誰もいない。
秋也を探しあて、この組織を作ろうと提案したのが彼だった。
「終わらせてやる」
秋也が小さくつぶやくと組織全体が
「オー!!」
と声を上げた。
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